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BCGワクチンって何のため? 翌日から跡が腫れたら要注意

2016.11.15

BCGの予防接種は、毎年結核感染者が報告されている日本で暮らし・育つ以上、とても重要なワクチンです。

BCGの接種跡に、どんな反応がどんな期間で起きれば正常なのでしょうか?また、翌日から反応が始まった時には、どんなことが疑われるのか、そしてどう対処すればいいのか見てみましょう。

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結核を防ぐBCG 接種翌日から接種跡の観察が必須

日本において結核は、決して過去の病気ではありません。

医療が発達した現代においても、日本のその風土と気候から根絶することは難しく、年間2万人にも及ぶ新たな患者が新たに発症し、かつ2千人が命を落とす、重大な病気です。
 

結核菌自体は、それほど強い菌ではありません。事実、感染したとしても、すべての人が発症するわけではなく、健康な人の場合、自身の免疫力が結核菌を退治できるか、病巣を閉じ込めることがほとんどです。

また発症していない限り、咳やくしゃみによって他人に感染させる”排菌”が始まることもありません。

ですが体力が少ない・免疫力が弱っている状態だと、退治しきれず、体の中に潜み続けた菌が活動を開始し、体の器官を蝕んでいくことになります。
 

その発病箇所の大半が肺であるため、結核は肺の病気と考えている人もいますが、決してそうではありません。

特に患者が乳幼児の場合、肺だけでなく、全身に結核菌が回ってしまうことがあり、重篤化しやすいことが分かっています。
 

それを防ぐため、生後5ヶ月から8ヶ月の間に、BCGワクチンの接種が推奨されているのです。
 

ただ、このBCGワクチン、他のワクチンと違う接種方式(スタンプ方式)であったり、近い月齢の赤ちゃん達との集団接種だったりと、他の予防接種とかなり異なります。

また接種した翌日から数日間は、接種跡の観察が必要です。
 

そもそも何故、結核を防ぐ必要があるのか?

まずは結核について、少し詳しく見てみましょう。
 

結核は感染症です。

感染者が咳やくしゃみをした時、その飛沫となった唾液に含まれた結核菌が空気中に放出され、それを他の人が吸い込むことで感染する、空気感染が主な感染経路になっています。

免疫力が高い大人が感染・発症した時は、その大半が肺結核です。
 

肺結核の初期症状は、普通の風邪ととても良く似ていて、咳や痰が微熱が主であるため、多くの人がそれに気付きません。

この症状が長く続き、体重の減少や食欲の低下などが現れて初めて、結核を疑って受診するために、その時には周囲にも感染が広がってしまうことが多いのです。

近年、同じ職場で働く人が集団感染した、というニュースを目にしたこともあるでしょうが、それはこうした経緯です。
 

結核の症状を放置すると、肺細胞が結核菌によって壊されるため、喀血や呼吸困難、肺の機能低下による強い倦怠感を感じるようになり、死に至るケースも存在します。
 

勿論先に触れた通り、結核菌に感染しても発病するとは限らず、また発病してもすぐに排菌に至るわけではありません。

排菌前に気付いた場合には、通院による投薬治療で済む(ただし、6ヶ月程度の期間がかかります)のですが、排菌が始まって感染源になる恐れがある時、また重症化している場合には、まず2,3ヶ月入院治療の後、通院治療に切り替わります。
 

結核は肺だけで起きる病気ではない

日本にいる結核患者のうち約8〜9割は、上記のような肺結核ですが、それ以外の場所で起きる結核のことを”肺外結核”と呼びます。

肺外結核は、まず肺結核の発病後、そこから血液や体液に乗って別の場所――臓器や骨、皮膚、リンパ節に感染箇所が広がるケースと、最初の感染の段階で、肺ではなく消化器側に感染してしまうケースがあります。

肺外結核の中でも特に発症率多いのが首のリンパ節(頸部リンパ結核)ですが、体中のどこにでも、結核菌が感染する可能性があります。

そんな中でも一番注意しなければならない肺外結核が、”粟粒結核”(ぞくりゅうけっかく)と、”結核性髄膜炎”です。
 

粟粒結核とは、結核菌が血液の中に入り込んでしまい、全身に回ってそこに感染箇所(そうした場所を病巣と呼びます)を作る状態を示します。

症状は病巣の出来た場所によって異なりますが、粟粒結核によって運ばれた結核菌が、頭蓋骨の中、脳を包んでいる”髄膜”という膜に感染するものが結核性髄膜炎です。
 

特にこの結核性髄膜炎にまで進行してしまうと、激しい頭痛や発熱、吐き気、嘔吐といった症状が髄膜への感染後、1日〜数週間のうちに始まります。

そして、症状が進行すると意識障害や痙攣、神経障害などを併発し、最終的に重い後遺症を残すばかりか、命を落とすことも珍しくありません。
 

乳幼児が結核になると、恐ろしい合併症のリスクが高まる

脅かしたいわけではありませんが、生まれたばかりの赤ちゃんを持つご両親に、特に覚えていて頂きたい点は「乳幼児が結核に感染・発病した場合、結核性髄膜炎に至る可能性が大人よりも高い」ということです。
 

先に述べた通り、結核菌自体はさほど強い菌ではありません。

大人や、乳幼児期を抜けた子供であれば、体内に取り付いた結核菌が増殖し、病巣を作って悪さをする前に押さえ込むことが出来ます。つまり”感染していても発病していない”状態に留めることが出来るのです。
 

しかし特に乳幼児は、免疫力も体力も弱く結核菌を押さえ込むだけの力がないため、感染してすぐに発病に至ってしまうケースが高いのです。これを初感染結核”と呼びます。

しかも、病巣を肺に留めるだけの力もないため、感染から2,3ヶ月程度で粟粒結核、そして核性髄膜炎にまで至ってしまうのです。
 

ですから赤ちゃんの周囲に、結核を発病し、かつ排菌にまで至っている患者さんがいることは、とても危険なことなのです。

実際に赤ちゃんが結核に感染する場合、その感染源となっているのは、その8割近くが近親者からであると言われています。

出来るならば、赤ちゃんが生まれるよりも前に、少なくとも赤ちゃんと同居する・頻繁に会うことになる家族や近親者の中に、長く咳が続く、微熱が続く――といった症状がある人がいるならば、結核の検査を受けるべきでしょう。
 

BCGワクチン接種はどんな方法で受けることになるのか

日本で結核に感染することは珍しいことではありません。

が、重症化を防ぐ・そもそも発病にまで至らないようにするために行われているのが、BCGワクチンの接種です。
 

BCGワクチンは、現在の医学において、結核の予防に一番効力があるワクチンであると言われており、使われているのは、人間に接種しても感染することのない、無毒化された”ウシ型結核菌”(そもそも牛にしか感染しない菌を更に無毒化したもの)が使われています。

これを、ある程度成長し、赤ちゃんに別の病気(免疫不全等)がないことが確認できた、5ヶ月〜8ヶ月の間に受けることが望ましいとされています。

そして1歳までであれば、BCGワクチンの接種は公費で受けられます。
 

結核菌の流行がない海外では、BCG接種自体がメジャーなものではなく、他のワクチンと同様に皮下注射という方式が採られていますが、実はBCGワクチンを皮下注射すると、その注射跡がケロイド状になってしまうことが分かっています。

(1960年代以前は皮下注射だったため、その跡が大きく残っているご高齢の方もいらっしゃるでしょう)

こうした大きな跡や炎症を防ぐために、日本では独自に、スタンプ(ハンコ)注射という方式が採られています。

まず、ワクチンを左腕に薄く塗り広げ、その上からスタンプ状の9本の針がついた管針を2箇所(計18本)に押し付けて接種します。

勿論、このスタンプ注射の跡も残りますが、皮下注射よりも腫れ具合・跡の残り具合はずっと軽減されています。
 

BCGの跡が翌日に消えた!? これは正しい状態?

スタンプ注射の直後は、管針を強く押し付けるため、この管針の針の跡と、針の保護部である円状のガードの跡がくっきり残ることになります。血が出たりすることはほとんどありませんが、出ても少し滲んでいるかな?という程度です。

通常であれば、この跡は、翌日にはなんとなくうっすら赤く残っているほどになります。
 

そして、接種後10日程度経ってから、針を刺した部分が赤く盛り上がり、腫れだします。

この腫れた一つ一つの針跡は独立しており、それぞれが白く化膿したり、かさぶた状になったままの状態が、3ヶ月から6ヶ月は続きます。
 
このかさぶたや化膿した部分には、出来るだけ触らないようにしつつ清潔さを保ち、お風呂の時も軽く洗い流すだけに留め、保湿クリームを塗るのも避けましょう。
 

逆に、注意しなければならないのは、接種後翌日〜10日の間に管針の跡が赤く大きく腫れたり、膿んだりといった、通常よりも反応が早く出た時です。

これを”コッホ現象”と呼び、”BCG接種前に、既に結核に感染している可能性がある”ことを示しています。
 

コッホ現象の場合は、針跡が赤く腫れ上がったり、グジュグジュとケロイド状になったりと、激しい反応を示すことが多く、針跡も一つ一つが独立して見えないほどになることもあります。

その後、本来ならば数ヶ月続くはずの腫れや膿が一月程度で納まるのが特徴です。
 

bgc接種跡が翌日から腫れだした! これはコッホ現象?それとも…

ただ、翌日から赤く腫れたとしても、確実に結核に感染しているとは言い切れません。

元々赤ちゃんの肌が弱かったり、接種後に擦ったり掻いてしまった、バイキンが入り込んでしまった等、結核とは関係のない症状である可能性もあります。

これを”偽コッホ現象”と呼びます。
 

もし翌日〜10日の間に腫れだしたとしても、コッホ現象か偽コッホ現象かは、保険・医療機関で”ツベルクリン反応検査”を受けなければ判断は出来ません。

速やかに接種を受けた医療機関に連絡を取り、指示を受け、その通りの診断を受けましょう。
 

また逆に、接種後1週間を過ぎても全く何の反応もない場合には、上手く抗体が出来なかった可能性がありますから、この場合も医療機関に問い合わせるようにしましょう。
 

万一、赤ちゃんが結核だったとしても、治療自体は赤ちゃんも大人も変わりはありません。

半年ほどの長期間、投薬による治療が主になりますが、医師の指示に従って治療すれば、重篤な症状に進行したり、赤ちゃん自身が感染源になって他の人に感染すこともなくなります。
 

BCGワクチン接種の跡が残ることを気にする親御さんも多いですが、これは日本で生活すること、そして子供の一生を左右する重篤な病気を防ぐために必要なものだということ、そして十分な効果を得つつ、かつ出来る限り跡が残りづらい方式が考え出され、それが実践されていることを理解して下さい。

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