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BCGの接種跡、反応がない時や早くに起きたらどうすべきか

   

BCGの接種跡、反応がない時や早くに起きたらどうすべきか

結核菌への感染および発症を防ぐためのBCGワクチンですが、他のワクチンと異なり、接種した跡の観察がとても重要です。

どんな症状がおきれば正常なのか、逆に反応が出ない時や、早いうちに反応が出てしまった時は、どんなことが考えられるのでしょうか?

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BCGの接種跡が出ない? これは接種の失敗?それとも…

赤ちゃんは生後間もなく、2ヶ月目になった頃から、様々な病気に対抗するためのワクチンの接種を受けるようになります。

まだ右も左も分からない赤ちゃんに、”痛いこと”をするのは、親として心が痛むことではありますが、”もしもの時”が起きる可能性を少しでも低くするため、ワクチン接種は重要なことだと言えます。
 

そんな予防接種ですが、他のものが親の自己申請で受けるのに対し、多くの自治体において、接種の案内が届くものがあります。

こうしたワクチンを”定期接種”と呼び、国が、病気や一定の接種時期(○ヶ月から○ヶ月の間に受けるべき、等)を決めていて、接種を強く勧奨しています。

その中の一つがBCGワクチンです。
 

BCGワクチンは、結核を予防するためのワクチンであり、現在も結核の発病者が後を絶たない日本では、是非とも受けておきたいものの一つです。

しかし、BCGワクチンは他の病気のワクチンと異なり、「接種をしたらそれで終わり」というわけではありません。

接種した跡、つまり針が刺さった部分の状態の見極めが、とても重要なのです。
 

このBCGワクチンの接種跡が出ない時、逆に正常ではない時期に腫れたりしてしまった時、赤ちゃんの保護者としてどうすべきなのでしょうか?
 

BCGワクチン接種後、何日目から反応が出れば正常?

まず、BCGワクチン接種後、通常の状態がどのようなものかを見ていきましょう。
 

BCGワクチンを摂取する時には、管針と呼ばれる、円形のガードの中に9本の針が備わっている、はんこ状の特殊な器具を用います。

まず左の上腕(肩と肘の間)に、毒性を極めて弱めたウシ型結核菌(本来はウシにしか感染しない結核菌)の溶液を垂らし、その上から管針を強く押し付けて、体内にこの菌を植え付けます。

これを上下に2箇所、計18箇所分、針があたることになります。
 

管針をかなり強く押し付けるため、接種直後には、円形のガードと針の跡が赤く残ります。しかしガード部の跡に関しては、単に圧迫による跡であるため、翌日にはほぼ消えています。

針跡自体は、実際に肌に傷がついていることになりますから、何となく赤い点が見える程度です。
 

この、”なんとなく赤い点が残っている”状態がしばらく続くのですが、10日目になると大きく変化します。

一旦見えないほどだった針跡が、急に赤く腫れだして、それぞれの針跡がはっきり分かるように盛り上がります。

接種から1ヶ月ほどになると、腫れた部分の中に膿が溜まって白く見えたりします。これを膿疱と呼びますが、皮膚自体は固いため、膿が流れ出すようなことはありません。

この状態が暫く続き、3ヶ月から6ヶ月、個人差はありますが、固くなっていた膿疱が枯れ落ちて、最終的に接種痕が残るのみになります。
 

これが、結核に対する免疫が正しくついた時に現れる現象です。
 

BCGの接種跡、いつまでに反応がある・ないを見極めるべきか

では、通常ではない状態というと、2つのケースが挙げられます。
 

○BCGワクチン接種前に、既に結核菌に感染していた場合

もし、赤ちゃんが既に結核菌に感染していた時には、通常は接種後10日以降に起きるはずの接種痕の腫れが、翌日以降に現れることになります。

これを”コッホ現象”と呼び、一種のアレルギー反応であると言われています。
 

コッホ現象が起きた時は、多くの場合、2,3日目で接種痕が赤く腫れ上がり、膿疱が現れます。酷い時には、一つ一つの針跡が見分けられないほど腫れたり、ただれたりすることもあります。

しかし、1ヶ月以内程度でこうした腫れや膿がなくなり、治っていきます。
 

もし接種後にこのような、普通よりも早くに反応が現れた場合には、速やかに接種を受けた医療機関(保健センターや病院)に、その旨を連絡し、診断を受ける必要があります。
 

ただ、コッホ現象が起きたとしても、必ずしも赤ちゃんが結核に感染しているとは言えません。

接種後、自然乾燥させるべきBCG溶液が乾ききる前に触ってしまったり、接種した箇所を引っ掻いてしまった時、また接種箇所に別の雑菌が入り込んだ時にも、同じような症状が起きます。

これを”偽コッホ現象”と呼び、調べた結果、実際は偽コッホ現象だった、というケースも数多く存在します。

ですから、自己判断はせず、必ず医療機関で診断を受けましょう。
 

BCGの跡の反応が出ない時は、どんな検査を行うの?

もう一つ考えられるケースは、以下の通りです。

○BCGワクチンによる免疫が付かなかった場合
通常、免疫が正しく付いた場合には、計18個ある針跡のうち、12個以上に反応が見られれば、結核菌への免疫がついた、と判断してもよいと言われています。

しかし、反応の出た針跡が12個未満だったり、また跡が残らない・1ヶ月を過ぎても反応が全く出ない時には、やはり接種した機関に連絡をし、免疫が正しくついたか検査をすべきか否か、判断を仰ぐ必要があります。
 

結核の免疫があるかどうかを確認するのは、”ツベルクリン反応検査”が用いられます。

これはツベルクリン液を注射し、48〜72時間後、注射を受けた部位がどの程度の腫れを起こすかどうかで、結核菌への免疫があるか、また結核に感染していないかを判定します。
 

この腫れが10mm未満である場合は陰性、つまり結核に対する免疫が備わっていないことを意味します。

対して10mm以上であれば、陽性であり、BCG接種の効果が出て免疫がついたか、もしくは結核に既に感染しているかのどちらかであると判定されます。
 

陽性の場合、かつ結核の感染が疑われる場合は、更に血液検査やレントゲン、更に痰などに結核菌が含まれていないかの検査を行うこともあります。

対して陰性の場合は、備わるべき免疫がない状態であるわけですから、BCGの再接種を受けるかどうかを含め、医師の判断に従いましょう。
 

BCGワクチン接種で起こり得る副反応とはどんなもの?

他の病気を防ぐワクチンと同様に、BCGワクチンの接種にも副反応が起きるリスクは存在します。
 

一番多く、また問題がないものとしては、接種を受けた側(大抵は左になります)の脇の下や首筋のリンパ節が腫れたり、しこりが出来るというものです。

このしこりは大抵の場合はお米の粒ほどの大きさで、自然に消えていきます。ただ、気になる場合や、ただれや化膿がある時、しこりが2cmほどの大きさになっていれば、一度診察を受けましょう。
 

そして、非常に稀ではありますが、”全身播種性BCG感染症”、”皮膚結核様病変”、”BCG骨炎”といった副反応が起きるリスクもあります。

特に、「BCGワクチンの接種は出来るだけ早いうちにすべき」というWHOの勧告を受け、対象年齢が下がった頃から、BCG骨炎の患者の発生数が増えた、という報告もあります。
 

BCG骨炎に罹ると、その2,3ヶ月後から、手足の関節の動きが悪くなる(痛がる・引きずる)といった症状が出始めます。

もし発症したとしても、早期に治療を開始すれば、投薬治療のみで済んだり、予後が良好になり、後遺症なども残さずに済みます。

成長の時期として、丁度はいはい等が始まる・伝い歩きなどが始まる頃のため、判断が付きづらいですが、「何だかいつもと違う」と気付いた時点で、病院を受診し、早期に気付いてあげることが重要になります。
 

BCGの副反応に、熱や鼻水、下痢などは含まれる?

現在の標準接種時期”生後5ヶ月〜8ヶ月の間”(遅くとも1歳まで)が適切だとされているのには、激しい副反応を起こしやすい乳幼児は、先天性免疫不全症候群など、免疫機能に何らかの障害が元にあることが多いためです。
 

本来、BCGの役割である”結核菌に対する免疫をつける”、”結核菌に感染しても発病しない・発病しても重篤化しない”ことのみを焦点に当てると、接種時期は月齢が低ければ低いほどいいのです。

しかし、生後3〜4ヶ月の子供が接種を受けた場合、骨炎を始めとした副反応が起きるリスクが高くなること、また免疫機能が正常か否かの診察がまだつかない頃であるため、現在のような時期になっています。
 

こうした理由もありますから、例え免疫機能に問題のない赤ちゃんであっても、接種当日に体調が悪いような時は、無理をしてその日に接種してはいけません。

体が弱っている時に(毒性は極めて低くなっているとはいえ)病原菌を接種するのですから、その負担に体が悪い反応を示してしまう可能性があるからです。
 

ちなみに、BCGの接種後、時に熱を出したり、鼻水・咳・下痢といった症状を示す赤ちゃんも存在します。

ですが、これ等の症状は、BCGの副反応ではなく、集団接種の会場や病院で、風邪などの病気に感染してしまった、と考えられます。

特に、突発性発疹の発症が始まる時期でもありますから、接種後は不要な外出は避け、家でゆっくりと体を休ませてあげることも大切なことです。
 

BCGの接種跡、これって一生もの?他の場所に接種は可能?

BCGの接種跡がいつまで残るかは、人によって大きく異なります。

そのためよく「BCGの跡がつくのが可哀想」、「他の部分に接種したい」、「海外では皮下注射が主流なのに」という話を聞きますが、これ等は国内では認められていません。

ただ、実はこれには大きな理由があります。
 

実は、BCGワクチンを、他の予防接種のように皮下注射で行った場合、その接種箇所がケロイド状になり、現在の管針使用時よりももっと大きく、治りづらい跡を残すことになるのです。

そして、海外で何故BCG接種が皮下注射なのかというと、特にアメリカ等では結核は流行しておらず、接種は完全に自己判断によるものになっています。

対して日本は結核の蔓延国ですし、定期接種=”義務ではないが、受けるために努力すべき”とされているため、一番跡が残らず、かつ有効である管針を使った方法が採用されています。
 

また、二の腕への接種も、一番跡が酷く残らない場所であり、接種後の傷跡に別の菌が入り込んでしまう危険性、そして血管内に結核菌が入り込んでしまう危険性、正確な判断がつかなくなる可能性などを排除した結果、選ばれているのです。
 

跡が残るのが可哀想という気持ちも、その跡が不格好だと感じる気持ちもあって当然ですが、乳幼児が結核に罹った時に起こり得るリスクとどちらが重大であるかは、言うまでもありません。

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