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妊娠検査で卵巣の腫れが発覚! 妊娠にどう影響するか

   

妊娠検査で卵巣の腫れが発覚! 妊娠にどう影響するか

女性特有の器官である卵巣。この卵巣の腫れを、妊娠検査によって初めて指摘され、気付くケースは多くあります。

この卵巣の腫れの原因は、どんなものがあるのでしょうか。そして、その後の妊娠にどんな影響があるのでしょうか?

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妊娠検査で卵巣の腫れが見つかった… 妊娠にどう影響する?

妊娠がわかると、産婦人科では問診や尿検査、身体測定などの他に、内診、触診、超音波検査などを行い、その妊娠が正常であるかや妊娠期間などの検査が行われます。

これが妊娠検査と呼ばれるものですが、この検査を受けた時、何かしらの問題が見つかることも、少なくありません。
 

その中の一つによく挙げられるものが、”卵巣の腫れ”です。

本来、直径2〜3センチの大きさである卵巣が、3.5センチ以上になっていると、このように診断されます。
 

沈黙の臓器、と呼ばれる内臓はいくつかありますが、卵巣もその一つ。

卵巣自体には痛覚が存在しないため、何か問題を抱えていても、痛みといった分かりやすい症状が出ません。痛みを生じる時というのは、卵巣の腫れで周囲の組織(主に腹膜)が圧迫されて感じる場合がほとんどです。

ですから、定期的に婦人科検診を受けていない場合、こうした妊娠をきっかけにその問題に気付くことも少なくありません。
 

ただ、そのように診断を受けた場合、気になるのは、せっかくの妊娠が継続できるのか――赤ちゃんや自分自身に何か大きな問題が起きないかどうかでしょう。

もし妊娠検査やその後に続く妊婦健診で卵巣の腫れが見つかったとしても、その全ての症例において、妊娠の継続が出来ないわけではありませんし、赤ちゃんにも、そして妊婦さん本人にも問題のないケースも存在します。
 

妊娠初期の卵巣の腫れの原因は3つ

そもそも卵巣は、女性にしかない体の器官であり、他の器官と比べても腫れやすい場所だと言えます。

それは何故かというと、毎月訪れる排卵、言い換えるならば”妊娠するための体のサイクル”に理由があります。
 

毎月、排卵の際、卵巣の中から成熟した卵子が排卵されることは御存知の通りですが、この時、卵子は、卵巣の表面の膜(卵胞の膜)を破いて出てきます。

勿論、大きく裂けたりするわけではありませんし、通常、1回の月経につき排卵される卵子は一つですから、ダメージとしては小さなものです。

しかし、排卵の度に必ず傷を負い、それを修復を繰り返しているということは、それだけ細胞分裂が活発な場所であり、その際に”修復ミス”が起きる可能性が高い場所――つまり腫瘍が出来る可能性が高いと言えます。
 

加えて、卵巣は、女性ホルモンの分泌元であるため、その影響を直に受ける場所でもあります。

排卵前後、生理前後、そして妊娠初期と、それぞれで分泌されるホルモンバランスの変化により、腫れてしまうことも珍しいことではありません。
 

そして、妊娠初期に卵巣の腫れが起きる原因として考えられるのは、

○妊娠初期のホルモンによるもの

○良性腫瘍

○悪性腫瘍

の3つです。
 

妊娠初期の、ホルモンが原因の卵巣の腫れとは?

まず、妊娠初期特有のホルモンによる卵巣の腫れについて見てみましょう。
 

妊娠初期、子宮内膜に着床した受精卵は、将来胎盤となる自身を包む外側の膜から、”hcgホルモン”を分泌します。

このhcgホルモンは、(治療などの場合を除き)受精卵が着床した場合にのみしか体の中に現れないものです。

hcgホルモンの働きを平たく言うと、「無事に着床したから、生理が起きないように黄体ホルモンを出し続けて!」と、卵巣内にある黄体に働きかけるものです。

(余談ですが、妊娠検査で行われる尿検査や妊娠検査薬は、尿の中にこのhcgホルモンが一定量以上含まれているかどうかを調べるものです。)
 

ただ、時々、黄体がホルモンを分泌し続けようとする過程で、その内部に水が溜まって腫れてしまうことがあります。

これが妊娠初期に見られる”ルテイン?胞(のうほう)”です。
 

ルテイン?胞自体は、通常最大でも2〜3センチ程度であり、hcgホルモンの分泌が減るに従い、妊娠10週〜14週の間に消えていきます。

ですから、ルテイン?胞が疑われる場合は、血液検査などで他の異常な点が出ていないことを調べつつ、経過観察が主になります。
 

ただ、時にルテイン?胞が5センチを超える場合、後述する卵巣の”茎捻転”や破裂を起こす可能性が出てきます。

こうした症状が出た場合には、手術により問題の起きている側の卵巣を摘出することもありますが、基本的に妊娠の継続も、通常分娩も可能です。
 

卵巣の腫れは良性腫瘍のせい?妊娠に影響はあるの?

続いて、良性腫瘍について見てみましょう。
 

腫瘍、と聞くと、どうしても頭に思い浮かぶのは、がんと呼ばれる悪性腫瘍のほうですね。しかし卵巣に起きる腫瘍のうち、その9割以上は、以下の4つに代表される良性腫瘍です。
 

○チョコレート嚢腫

子宮内膜の組織が別の場所(この場合は卵巣内)に入り込んでしまい、毎月の生理に合わせて増殖・剥離を繰り返す”子宮内膜症”が大本。

卵巣内には排出する機能がないため、内部に溜まった血液がチョコレートのように見え、この名前がついた。
 

○成熟嚢胞奇形腫(類皮嚢腫)

女性本人が胎児の時期、卵巣内の卵子が何らかの原因で細胞分裂し、本来、皮膚や髪の毛、歯などになるべき組織が卵巣内に作られてしまう症状。

若い世代、かつ妊娠や腫瘍が大きくなって茎捻転を起こして気付くことが多い。

高年齢になってから悪性腫瘍化する可能性がある
 

○漿液性嚢腫

卵巣の中に、何らかの原因でサラサラとした水状の液体が溜まり腫れる症状。

30代以降に起きやすく、将来的に悪性腫瘍化する可能性がある。
 

○粘液性嚢腫

漿液性嚢腫とは逆に、ドロドロとした液体が溜まって腫れる症状。

巨大化しやすく、また自然破裂する可能性がある。
 

妊娠初期に、これらの良性腫瘍が見つかった場合は、その状態――大きさ、腫瘍の種類によって妊娠中でも手術が行われることになることもあります。
 

卵巣の腫れは悪性腫瘍?その診断はどう行われる?

最後に残る可能性が悪性腫瘍、つまり卵巣の腫れががんによるものか否かになりますが、がんであるか否かを判別するには、以下のような流れで検査が行われます。
 

・触診、エコーにより卵巣の腫れの大きさなどを調べる

・血液検査により、腫瘍マーカー(腫瘍から分泌される特有の物質)の値の検査

 ただし、腫瘍マーカーの数値が高くとも、良性腫瘍の場合もある
 
・MRI(磁気による体内の状態を検査する装置。被ばくの心配がない)により、より詳しい症状を調べる
 

ただ、結局は腫瘍そのものの組織を検査し、それが良性・悪性かを判別するしかないケースもあり、そうした場合、腫瘍の大きさや状態、週数が12週を越え、赤ちゃんを支える胎盤が出来上がり、胎児の成長も安定してから開腹・腹腔鏡手術を行うのがほとんどです。

腹腔鏡手術の方が、開腹手術よりも回復までの時間も、体にも負担が少ないのですが、腫瘍が10cmを超える場合には、開腹手術が選ばられ、周辺の組織の癒着がないかなどの確認がされます。
 

手術により、病巣あるいは卵巣の摘出を受けたとしても、その手術そのものが赤ちゃんに障害を起こすことはありません。

ただし、悪性腫瘍が子宮や周辺にまで及んでいたり、手術の負担が、妊娠に及ぼす影響は個人差があるため、結果的に流産や妊娠を諦めることに繋がる可能性も、少なからずあります。
 

妊娠中でも手術の必要がある?茎捻転とはどんな症状?

ルテイン?胞でも、良性腫瘍だと確定していても、その卵巣の腫れが5センチに及ぶ場合、お腹の中で卵巣を支えている靭帯が重さに耐えきれず捻れてしまうことがあります。

これを”茎捻転”と呼び、この状態になると、激痛が起きたり、捻れた部分が炎症を起こす・血流が止まってしまって壊死が起きる・卵巣の破裂などが起きる可能性があり、大変危険です。
 

既に茎捻転が起こってしまっている時はもとより、卵巣の腫れが治まらない時には、妊娠中でも手術が行われる場合があります。

これは茎捻転は、初期よりも中期以降や分娩時に起きやすくなるためであり、手術の影響が一番少ないうちに、原因を取り除く意味合いがあります。
 

茎捻転の手術も、腫瘍の摘出手術と同じく、それそのものが妊娠に影響を与えることはほぼありません。

そして卵巣を温存、つまり残すことが出来るかどうかは、まず第一に、卵巣の状態によります。

茎捻転にすぐに気付き、壊死などが起きる前であれば、卵巣の切除を行わずに済みます。

そして茎捻転の原因となった疾患の理由、患者本人の年齢、そして今後の妊娠を望むかどうかなどによっても、温存するかどうかを医師との話し合いで決められるケースもあります。
 

妊娠前に卵巣の異常に気付けるよう、定期的に検診を受けよう

卵巣の病気は、多くの場合、卵巣の機能の衰える40代近くから起こります。

しかし、現代を生きる女性は、ストレスや冷えなどが原因で、卵巣の機能が早くに衰えてきてしまうことがあります。

ですから「卵巣腫瘍はもっと後のこと」とは、決して言い切れないのです。
 

卵巣や子宮のような女性特有の器官の病気も、他のどの箇所の病気とも同じように、初期であればあるほど予後もよく、将来的に子供を欲しいと思うのであれば、定期的な婦人科検診が絶対必要です。

しかし、内診を始めとした検査にかかる心理的なストレスのため、どうしても及び腰になりがちですね。

それでも、痛みや生理・おりもののの異常で、病気に気付きやすい子宮と違い、卵巣はそうした初期症状も現れないため、妊娠検査で初めて気がつくケースがとても多いのです。
 

もし異常があっても、卵巣や子宮の温存、そしてその妊娠を継続できる状態であればいいのですが、「もっと早く病気に気付いていれば…」という体験談も数多く存在します。

そうしたことにならないためにも、やはり、妊娠をする前から定期的に検診を受け、自分の体に異常がないかをしっかり確認しておくことが重要です。

そしてもし、妊娠を機に卵巣の異常が見つかっても、悲観的になりすぎず、不安な点は主治医と話し合い、自分や家族も納得して治療を受けられるよう、正しい知識を持つことも必要です。

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