子供が睡眠中にあくびをするのは、普通の事?
2015.12.18

子供が睡眠中にあくびをしているのを目にすると、親は不安に思います。
何故ならあくびは眠い時にするものという考えがあるので、起きている間であれば、「もう眠いの?」と聞いたり、寝かしつけたりできますが、寝ている間ですと何もできません。
これは病気の前兆なのか、それとも普通の事なのか?そんな疑問にお答えします。
あくびのメカニズムについて
眠い時、目が覚めない時、退屈な時にあくびは出ます。
でもこのあくびが出るメカニズムについてはまだ解明されていません。
ただよく言われているのが、呼吸を吸い込む動作を伴う事から、酸素を体内に大量に取り込む必要がある場合にするという説が一般的です。
脳を活性化させるのは、大量の酸素が必要になることから、脳の活動が低下した時にあくびは発生すると言われています。
また、スポーツをしている間にあくびが出るようなら注意が必要という説もあります。
つまり、体内の酸素量が減ってしまったので、あくびをして酸素を大量に吸い込む必要があるためです。
そのため運動中にあくびが出るようなら、すぐに休憩を取る必要があるそうです。
またあくびをする際は、口回りやあごの筋肉を動かすことになるので、これも脳の刺激になっています。
また一説に脳の体温調節のためにあくびをするとも言われています。
何故なら脳は体内で一番エネルギーを発生させる部位であり、そのため熱の放出が激しくなります。
子供の睡眠中のあくびについて
ただ睡眠中のあくびとなるとどうなるのでしょうか?
前述した通り、脳の活性化や酸素を大量に必要とするためというのであれば、睡眠中にあくびをするのは、体調に問題はありそうですが、すぐに病的と判断するのは早すぎます。
人間は睡眠中、レム睡眠とノンレム睡眠のサイクルを繰り返していて、睡眠が浅い場合は起きている時と同じような行動がみられるとの報告もあるので、その理屈で言えばあくびはさほど問題ではありません。
また、ちょっとした睡眠不足や酸素不足から引き起こされた可能性があります。
実際乳幼児には、鼻で呼吸することが多く、口で呼吸することが少ないため、時に酸素不足になってあくびで補おうとします。
逆に大人の睡眠中のあくびのほうが、問題が多いようです。
睡眠中に呼吸不足になるということはつまり、「睡眠時無呼吸症候群」の可能性があるからです。
この病気の特徴的な症状は、いびきとあくびです。
一晩に呼吸が10秒以上止まる状態が5回以上続くと「睡眠時無呼吸症候群」と診断されます。
乳幼児の「睡眠時無呼吸症候群」とは?
実際この病気であれば、大人より深刻です。
酸素が脳に十分にいかなければ、発達や発育に影響が出る可能性が高いのです。
乳幼児は大人のように自分の不調を人に伝えることができません。
そのためおかしいなと思ったら病院に行きましょう。
この「睡眠時無呼吸症候群」はうつぶせ寝によって改善されることもあるそうですが、うつぶせ寝は明確な因果関係は立証されていませんが、「乳幼児突然死症候群」(Sudden Infant Death Syndrome)通称SIDSのリスクを高めると言われているので、素人の判断でやらないほうがいいでしょう。
実際あくびが病的なものが原因の場合は、日中にもサインが見られます。
本人は症状に対して無自覚かもしれませんが、不機嫌だったり、食欲がなかったり、吐き気が合ったりなどの症状が同時に見られて場合はまずは医者に相談しましょう。
大人の場合は肥満の人に見られることの多い病気ですが、子供の場合は、肥満に関係なく例えば、扁桃やアデノイドが大きいと舌が気道を塞いでしまうことが原因の場合もあるそうです。
子供の睡眠の重要性について
子供の睡眠不足は大きな問題です。
睡眠は健やかな成長には欠かせない物です。
その睡眠が足りない場合、すぐに命には係わりませんが、いろんな病気の間接的な原因になります。
睡眠不足は肥満や生活習慣病、うつ病などの発症率を高めたり悪化させたりすると言われています。
最近の乳幼児は22時以降に就寝する割合が、10年、20年前と比べると明らかに増加しており、また、厚生労働省が行った調査によると、4歳6か月時点で、21時より前に就寝する子供は五人に一人もいなかったそうです。
母親が働いている家庭ではその傾向が強く表れているそうです。
共働きで働いている母親は、正社員であれば会社の就業時間で夜の6時や7時まで働かざるを得ないため、そこから子供の食事、入浴、就寝となると、時間がどんどん後ろに倒れていきます。
親のライフスタイルが子供の就寝時間に大きく影響を与えているのです。
もし今後女性の社会進出を国が応援するのであれば、こういったところに現れたひずみにも心を配る必要があるでしょう。
子供の睡眠には早起きは早寝で
早寝早起きという言葉はよく聞いていると思いますが、実際は早起き早寝が大切だそうです。
早く寝れば早く起きられるというのも道理ですが、生活のリズムが狂った子供は早く寝ることが出来ません。
そのため早く起きれば早く寝る事になります。
しばらくは辛いでしょうが、1週間続けると早寝になるそうです。
親としては寝起きの悪い子供の相手は大変だと思われますが、後々の事を考えるのであれば、ここが頑張りどころです。
問題は週末です。
学校や幼稚園がないため、本人も親も油断して平日よりも遅い時間まで寝かしてしまいますが、せっかくの努力が無駄になります。
遅く起きれば、その分だけ寝るのが遅くなります。
週末も同じような時間で起こすことが大切です。
寝ぼけている子には、太陽の光が何よりも特効薬です。
慣れてくれば太陽を浴びるだけで、体内時計はその狂いを改善できます。
中々目の覚めない子にはできるだけ太陽の光を浴びさせましょう。
十分な睡眠時間は、十分な栄養とともに子供の成長には欠かせないものです。
睡眠が阻害される原因があるようなら、それを除外してあげることが重要です。